賃貸管理

【必見!解説】賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律成立

2020-06-14

2020.6.12、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が成立しました。その概要を解説します。

概要をつかんでおくと法律が施行されるときに焦らなくて済みますので、一読しておきましょう!

公務員から転職し、現在、不動産業界15年勤務。賃貸物件2棟所有。宅地建物取引士、不動産鑑定士(短答式試験合格、論文式試験勉強中)、不動産コンサルタント。 これまでの不動産についての豊富な業務知識、経験、人脈をもとに、役立つ記事を書いています。よろしくお願いします!

法律概要の説明

背景・必要性

この法律の概要については、国土交通省が報道発表している資料をご覧ください。法律は成立したため、下図資料の「案」は外れます。

まず、下図の背景・必要性をお読みください。

説明図

1つ目の〇。総務省「住宅・土地統計調査」によると、2018年時点で、住宅ストック総数約5360万戸のうち、民間賃貸住宅ストック数は1530万戸と約28.5%を占める。

また、国交省の「土地問題に関する国民の意識調査(2018年7月)」によると、持ち家よりも借地・借家を志向する消費者がこの20年で2倍超(9.3%→20.4%)に増加。

2つ目の〇。1992年時点で、賃貸物件を管理業者に委託するオーナー25%、自ら管理するオーナー(大家)75%。2019年時点で、賃貸物件を管理業者に委託するオーナー81.5%、自ら管理するオーナー18.5%。

賃貸物件を管理業者に委託するオーナーが大幅に増加していることがわかります。

3つ目の〇。賃貸物件を管理業者に委託するオーナーが大幅に増加するのに伴い、家賃が保証されるサブリース方式の管理手法も増加していると考えられます。

4つ目の〇。賃貸物件を管理業者に委託するオーナーが大幅に増加するのに伴い、「全国消費生活情報ネットワークシステム」に寄せられた賃貸住宅における管理会社等を巡る苦情・相談件数は、2009年1014件→2018年7116件と、7倍になり急増。

そのうち、サブリースに関する上記苦情・相談件数は、2009年266件→2018年1004件と、4倍に増加。

国交省の調査では、オーナーと管理業者とのトラブル事例として、

  • 賃料・敷金等が管理業者から入金されるまでに時間を要することがある、入金されないことがある
  • 管理業務の内容に関する認識が管理業者との間で異なっており、期待する対応がなされない
  • 管理業者から管理業務に関する報告がなく、適切に対応がなされているか把握できない
  • サブリース業者による契約締結時のオーナーへの説明状況については、「将来の家賃変動の条件」、「賃料の減額リスク」等の契約内容について説明をしたのは6割程度

サブリースについては、国会での議論を聞いていると、特にかぼちゃの馬車事件が背景にあると考えられます。

メモ

・かぼちゃの馬車事件は、スマートデイズ社がサブリース方式による30年一括管理、一定期間の家賃保証を謳い、女性用シェアハウス(かぼちゃの馬車)を販売。
・2012年の創業から5年で1000棟(12000戸)を管理するまでに急成長したが、経営破たん(負債総額約60億円、未払家賃総額約23億円)。800名を超えるオーナーの賃貸経営が行き詰まり、自己破産者、自殺者を生み社会問題化。
・スマートデイズ社が販売会社・建設会社等と連携して一括管理・家賃保証を誘引としてオーナーを勧誘し、その際、適切な説明を行わず、賃貸経営におけるリスク等をオーナーに誤認させ、契約を締結させたことにより被害が拡大。

このようなことから、国としてもさまざまな規制をする必要があると判断し、「サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置」と「賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設」がなされることとなったのでしょう。

「サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置」と「賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設」

まず、下図の内容をお読みください。

説明図

1.のサブリースについては、2020年12月中旬に施行されます。注意が必要です。

・誇大広告や不当勧誘等の禁止が盛り込まれ、サブリース業者だけでなく勧誘者も規制の対象となります。

・違反者には業務停止処分などが課せられ、規制の実効性が担保されています。

2.の賃貸住宅管理業の登録制度については、2021年6月中旬に施行されます。

・賃貸住宅管理業者は、国土交通大臣の登録が義務付けされます。管理戸数が一定規模未満の者は対象外となっています。この一定規模未満とは、管理戸数200戸程度を想定しているようですが、片手間で管理をやっている会社以外は、会社に箔をつけるためにほとんどの管理業者は登録をすると思います

・業務管理者の配置については、営業所又は事務所における業務の管理及び監督を行わせるため、賃貸住宅管理に関する一定の実務経験等を有する資格者(業務管理者)の専任を義務づけられます。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士であって一定の講習を受講した者が想定されているようです。これによって、宅地建物取引士は仲介のみならず、管理の業務管理者にもなることができます。

また、1.2.の重要事項説明は宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士に加え、従業員も行うことができることになっています。

宅地建物取引士が業務管理者や重要事項説明を行えることとなったため、賃貸不動産経営管理士の取得意義が今回の法律によって薄れたような気がします。

・違反者には業務停止処分などが課せられ、規制の実効性が担保されています。

なお、今回の法律の詳細な内容については、国交省がガイドラインを策定することとなっています。

2020年12月中旬に施行されるサブリース関連については、10月中旬にも政省令やガイドラインが公表される予定です。

ココがポイント

1.2.ともに、契約締結前の重要事項説明が義務化されます。ただし、仲介の場合は重要事項説明は宅建士が行わなければならないですが、1.2.の場合の重要事項説明は、宅建士や賃貸不動産経営管理士に加え、教育や研修を受けた従業員が行ってもよいことになります。この点が仲介との大きな違いです。覚えておいてください!

まとめ

「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が成立した背景には、賃貸物件を所有するオーナーのうち管理業者に委託するオーナーが約8割にのぼるまで大幅に増加し、それに伴い一般管理やサブリース契約において苦情・相談件数も急増し社会問題化するような事例が出てきて、国としても規制をしなければならなくなったのだと思われます。

よって、オーナーは、より一層、賃貸管理会社選びが重要になってきます。選ぶ管理会社を間違えると、将来の収益に大きな影響が出てきます。

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